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技術コラム

腰痛対策になる製品・カスタマイズ事例
2022/12/26 09:00

いわゆる「職業病」の6割を占める腰痛。
安全な労働環境実現のため、腰痛への予防対策はかかせません。

当社で取り扱っているステンレスタンクや周辺機器の多くはギリギリ人力で扱えるようなサイズ・重量です。
「腰がつらいけどちょっと無理をすればなんとかなる」ような作業を積み重ねることで身体に大きな負担がかかるリスクもあります。

とはいえ、どのような設計をすれば負担を軽減できるのか想像が難しいかもしれません。
そこでこのコラムでは、メーカーである当社が日々の作業で腰への負担を軽減する製品や、実際にお客様にご採用いただいたカスタムの事例をご紹介します。

投入作業を楽にする

原料を投入するために、投入口まで原料を高く持ち上げたり、投入するあいだ保持したりしますが、姿勢や原料の重さにより腰に負担がかかります。
無理な姿勢での投入作業をなくすことで、原料をこぼすロスの削減にもつながります。

原料タンクを傾ける動きを楽にする

原料を入れておくタンクに「ツル」と「持ち手」をつけることで簡単にタンクを傾け中身を排出できるようになります。
また投入先のタンクの縁に引っ掛けられるような部品を追加し、投入中の支えにすることもできます(写真右)。

ハンドルを回すとタンクが反転する機能をつけることも可能です。投入後に残液をかき出すような作業がある場合、こちらの方が適しているかもしれません。

投入口にアクセスしやすくする

投入口が届きづらい場所にあり無理な姿勢をとってしまうような場合には、踏み台を追加すれば投入口の近くで作業ができます。

また、実際にお客様にご採用いただいた事例をご紹介します。
食品メーカー様にご採用いただいた写真左のタンクでは、原料が入った袋やタンクを一時的に置く作業台を設けました。女性作業者に合わせて高さを800mm以内に調整しています。
写真右のホッパーは化学系のお客様にご採用いただいた装置の一部ですが、一斗缶から原料を投入する工程なので、一斗缶を逆さまにした状態でぴったり置けるホッパーを設計・製作しています。

洗いやすいタンクで洗浄にかかる時間を短縮する

作業を終えた設備は洗浄に流れますが、手洗いの場合、腰を曲げて洗浄したり洗浄液がタンク内に溜まった状態で持ち上げたり、負担がかかる体勢をとってしまいがちです。

洗浄にかかる時間を少しでも短くするために、汚れが固着しづらいフッ素樹脂コーティングをタンク内面や部品にかけることができます(写真左)。
また、移動式タンクの接液部だけを取り外して洗えるような製品もございます(写真右)。脚がない分軽量で取り扱いが楽になります。
※ある程度高さがあったほうが洗いやすい場合もあるので、環境に合わせてお選びください。

撹拌機やバルブの着脱を楽にする

撹拌機(ミキサー)は重たく、また精密機器なので慎重に取り扱わなければなりません。

設備から撹拌機を外す際には撹拌機を高く持ち上げなければなりませんが、写真のように撹拌機を昇降できる架台を使うことで人力で持ち上げる必要がなくなります。

クレーンなど設置できる箇所があれば、重量物の取り扱いを補助するバランサーもオススメです。
ムーンリフタというバランサーはリモコン操作なし・手で軽く荷重をかけて移動できます。両手で位置決めしながら設置ができ、安全な取り扱いをサポートします。

撹拌機を外したあとの置き場として、専用のスタンドを用意すると便利です。置いたり持ち上げたりする際に屈む必要がありません
また、作業台などに横置きするよりも安定した状態で組立・分解が可能です。キャスター付きで移動も簡単です。

タンクにバルブを接続する際、大きく屈んでタンクの下に潜り込むような姿勢になります。
そのまま重たいバルブを一人で接続部まで持ち上げ、保持して、固定するには時間がかかり、負担も大きいです。
バルブを接続位置まで持ち上げられる取付サポートジャッキのような製品を使用すれば、これを軽減できます。

背が低いタンクの移動を楽にする

腰の負担が軽減

背が低いタンクを台車に載せて移動するのは、前に屈む姿勢になり負担がかかります。目線が下がるので前方不注意になることも。
取っ手付きのタンク専用台車を使用することで、腰を曲げず前を向いたままタンクを移動させることができます。

お客様の使い方に合わせたカスタマイズが可能です

当社製品は基本的に設計から製作まで一貫して社内でおこなっているため、柔軟なカスタマイズの対応が可能です。
1品だけのご注文も可能ですので、タンクや設備の使いづらさなどにお困りの際にはご検討ください。

また、これまでお客様にご採用いただいた製品の一部を採用事例としてご紹介しています。近い業界でどんなカスタマイズがされているのか、ご参考までにご覧ください。

採用事例を見る

参考文献

厚生労働省.“職場における腰痛予防対策指針の改訂及びその普及に関する検討会報告書”. 厚生労働省. 2013-06-18.https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000034qql-att/2r98520000034qs0.pdf, (参照2022-12-22)

ステンレスタンク周辺でできる 作業者にやさしい暴露対策
2022/12/05 00:00

粉体材料や有機溶剤などを扱う場所では、それらを吸い込むこと(暴露)で健康に影響が出ることを防ぐために、暴露対策が必要になります。作業者側での対策もありますが、いかに設備側で作業者への暴露の要因を抑制できるかが重要です。

このコラムでは粉体の取り扱い時をメインに、当社がステンレスタンク周辺でご提案できる暴露対策をご紹介します。

投入するときは「舞い上がり」を抑える

半分だけ開く蓋を使う

半割蓋分割蓋を使用して、投入口以外は蓋しておけるようにします。
蓋をすべて外さないようにすることで、粉の舞い上がりを抑えます。

集塵フードと局所排気装置を使う

タンクに集塵フードと局所排気装置(集塵機など)を組み合わせることで、舞い上がる粉を捕集できます。

集塵フードの詳細を見る

集塵フード一体型のタンクと局所排気装置を使う

集塵フードが付いたタンクを使うことで、より効率的に粉じん対策ができます。

集塵フード付きタンクの詳細を見る

有機溶剤による部品洗浄に対応できるように、カスタマイズした事例もあります。

有機溶剤に対応した事例を見る

吸引ノズル+バキュームシステムを使う

吸引ノズルとバキュームシステム(空気輸送機)を使えば、粉の舞い上がりや材料のロスを抑えて投入できます。材料を持ち上げて投入しないため、作業者の負担を減らすこともできます。

吸引ノズルの詳細を見る

取り出すときは「漏れ」を抑える

フレキシブルジョイントor布製のシュートを使う

排出口と受けタンクをフレキシブルジョイントや布製のシュートなどで接続すると、粉漏れすることなく取り出せます。

フレキシブルジョイントの詳細を見る

粉体回収容器を使う

受けタンクが設備に直接接続できる仕様であれば、粉を漏らさずに取り出せます。例えばフランジ配管に接続できるタイプや、ヘルール配管に接続できるタイプがあります。

粉体回収容器の詳細を見る

混ぜるときは「飛散」を抑える

密閉したまま混合する

容器回転式の混合機なら、粉体が飛散することなくしっかり混合できます。さらに容器脱着式であれば、移し替えや投入による暴露リスクも抑えられます。

ロータリードラムミキサーの詳細を見る

運搬するときは「密閉」する

密閉タイプのステンレスタンクを使う

当社製品の場合、タンクに付いたキャッチクリップを蓋に引っ掛けて密閉するクリップタイプと、タンクと蓋の全周をレバーバンドで締めて密閉するバンドタイプがあります。
クリップタイプは開閉が簡単におこなえるのが特長で、バンドタイプは施錠や封印などをおこなえる特長があります。

暴露対策はコンタミネーション対策にもつながる

粉体材料を扱う場合、設備側で暴露対策をすることで、粉じんの飛散を抑えることができます。
粉じんの飛散はコンタミネーション(異物混入や汚染)の原因にもなるため、暴露対策はコンタミネーションのリスクを抑えることにもつながります。

粉体や溶剤などの暴露対策が必要な材料は、様々な産業で使われています。ステンレスタンクやその周辺での対応が必要になった際には、タンクメーカーである日東金属工業へ気軽にお問い合わせください。日東金属工業では業界を問わず、お客様にあわせた暴露対策やコンタミ対策をご提案いたします。

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