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技術コラム

ステンレス容器の耐熱温度と加熱に関するあれこれ
2021/09/06 09:00

お客様より、ステンレス容器の耐熱温度は何℃ですか?とご質問いただくことがあります。
このコラムでは、ステンレス容器の耐熱温度と、ステンレス容器を使って内容物を加熱(加温/昇温)するときの注意点、加熱に関するよくある質問についてご紹介します。

ステンレス容器の耐熱温度

耐熱温度は、ステンレス鋼の種類によって異なります。
弊社製ステンレス容器で主に使用している、SUS304(18-8ステンレス)ステンレス鋼自体の耐熱温度は700℃~800℃程度ですが、300℃以上になると焼色(テンパーカラー)が付きます。

弊社製ステンレス容器は薄板で製作しており、高温になると焼色だけでなく歪みなどが生じて使用に支障が出やすくなりますので、耐熱温度は約300℃としています。(耐寒温度は-273℃)

※焼色の色は素材・温度・表面状態などにより異なります。
※他社製品の耐熱温度につきましては、製品のメーカーさまにお問い合わせください。

付属品の耐熱温度に注意

例えばパッキンが付属するステンレス容器の場合、ステンレスの耐熱温度がOKだとしても、パッキンの耐熱温度がNGである場合があります。
パッキンなどステンレス以外の付属品がある場合は、付属品自体の耐熱温度もご確認ください。
> パッキン特性一覧表

ステンレスは一度温まれば冷めにくい

ステンレス(SUS304)はアルミや銅などに比べると熱伝導性に劣り、温まるまでに時間がかかります。しかし保温性(蓄熱性)に優れており、一度温まれば冷めにくいのが特長です。

加えてステンレスは錆びにくく衛生的に永くご使用いただけるため、温調を伴う工程ではステンレス容器が選ばれています。

ステンレス容器を使って内容物を加熱するときの注意点

空焚きや密閉状態での加熱は絶対NG

空焚きや密閉状態での加熱は絶対におこなわないでください。
空焚きは火災などの原因になります。また、密閉したまま加熱すると内部の圧力が強まり爆発など思わぬ事故やケガの原因となります。
クリップ式やバンド式の密閉容器の場合は、クリップやバンドを外して開放状態で加熱してください。

火傷の対策をする

加熱されたステンレス容器は表面も高温になっており、誤って触れると火傷します。
火傷の対策として、断熱カバーとよばれる保護カバーを容器の外面に巻き付けて断熱することや、標準で断熱槽が付いているステンレス容器がおすすめです。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
> 温調効率アップや火傷防止に!ジャケットタンクの断熱方法とは?

周囲温度で昇温スピードは変わる

ヒーター付きのステンレス容器など、昇温を目的としたステンレス容器の場合は、「どのくらいの時間で昇温できるか」が重要になります。
希望に適した機器の選定はもちろんですが、設置場所の周囲温度が低い場合は、熱が奪われてしまうため昇温のスピードが遅くなりますし、ステンレス容器からの放熱があれば周囲温度は上昇してしまいます。
周囲温度からの影響、周囲温度への影響を抑えるには、上で述べた火傷の対策と同様に断熱することが有効です。

ステンレス容器を使った加熱に関するよくある質問

ステンレス容器はガスコンロやIHで加熱できる?

弊社製のステンレス容器(特に寸胴鍋のような形状のもの)は主に貯蔵での使用を想定し、薄板のステンレス材で製作しています。
そのためガスコンロ等で加熱すると容器が変形・変色する可能性があります。
空焚きや密閉状態でなければ加熱自体は可能ですが、加熱による変形や変色などについては保証対象外です。
IHはオールメタル対応品でのみ使用できますが、対応可否についてはIHメーカーへお問い合わせください。

焦げ付きやすい内容物はどう加熱したらよい?

内容物の温度にムラが出ないないように撹拌しながら昇温させること、湯せんのような方法をとることで焦げ付きにくくなります。
おすすめの製品はこちら

容器メーカーおすすめの温調方法は?

加温のみでOKな場合、加温・冷却いずれも必要な場合などで変わってきます。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
ステンレス容器の温調方法

加熱後に容器の蓋を閉めて保管していたら、蓋が開かなくなってしまった

容器内部の温度が蓋を閉めたときよりも冷えると、容器内が減圧状態となり蓋が開かなくなります。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
蓋が開かない!ステンレス容器の蓋が開かないときの対処法

ステンレス製品は滅菌できる?

ステンレス自体は滅菌できますが、ステンレス製品には滅菌できるものとできないものがあります。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
ステンレス製品の滅菌で気になる3つのこと

 

もっとうまく加熱できないかな?と思ったら

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