新着記事
アーカイブ
タグ

技術コラム

【実験】混ぜる位置で液流はどのように変わる?ベルヌーイ流撹拌機で検証
2023/08/16 09:00

このコラムでは、撹拌の位置によって変化する液流についてご紹介します。
上の画像は同じ内容物・撹拌機・回転数で撹拌しているようすですが、撹拌機を設置する位置を変更するだけで液の流れが大きく変化していることがわかります。混ぜる目的や内容物の性質に合わせて撹拌位置を調整することで、短時間で精度の高い撹拌を実現可能です。

またこのコラムの内容は動画でもご覧いただけます。
発生する液流のようすなど、詳しくご覧になりたい方におすすめです。 動画で内容を確認する

※本コラムでは弊社のベルヌーイ流撹拌機を使用した場合の一例としてご紹介いたします。
すべての撹拌機に当てはまるわけではありません。

撹拌条件

内容物:水100L+樹脂のビーズ
(ビーズについて、ピンク色は比重が軽いもの・黄色と緑色は比重が重いものです)

撹拌機 回転数:600rpm

使用する撹拌機:ベルヌーイ流撹拌機
生じる液流:①撹拌体の上下から引き込む液流(特に撹拌体の下から引き上げる液流を強く起こします)
②撹拌体の左右に吐出する液流
③槽の内壁に当たって生じる上下の液流

全体を均一に撹拌したい場合

撹拌するもの同士の比重差が小さく全体の均一化を目的とする撹拌の場合、容器の中ほどあたり、かつ容器の中心からずらして(=偏心)設置します。
撹拌機を槽の上に設置する場合の基本となる撹拌位置です。

偏心設置することで同心円的な液流ではなく、不規則な液流(乱流)が発生し撹拌効率が向上。
また液面に渦が発生するのを抑えるため、空気の巻き込みや泡立ちの抑制にも効果的です。

プロペラの羽根がつく一般的な撹拌機でもここにセッティングすることが多くなっています。

沈降を予防・解消したい場合

比重が重い・槽の排出ノズルに内容物が溜まってしまうといった沈降状態を予防・解消する撹拌の場合は、容器の下の方に位置に設置します。
冒頭でご紹介したようにこの実験で使用している撹拌機は吸い上げる液流を強く引き起こすため、これを利用して沈んだ内容物を引き上げ、混合します。

排出ノズルへの溜まりを解消する場合は撹拌体をノズルに近づけましょう。下から引き上げる液流が作用し溜まりを解消します。

水面付近をしっかり混ぜたい場合

比重が軽い内容物があり液面に浮いてしまう・材料を上から投入するため水面に強い液流を起こしたい場合、バッフル(邪魔板)を設置します。

バッフルとは撹拌槽内に乱流を引き起こすために設置する板状の部品です。
液流が板に当たることでより不規則な動きになり撹拌の効率を向上、また同心円的な動きを壊し液面に生じる渦を解消するといった効果があります。
比重が軽い内容物も、バッフルによる乱流である程度槽内に引き込むことができます。

また、撹拌体を逆に付けることで液面から強く引き込む液流を発生させることも可能です。大きく空気を巻き込むため、泡立ちなどを嫌う内容物の場合はご注意ください。

液流のようすを詳しく確認したい方へ:動画でご覧いただけます

あわせて読みたいコラム・資料

【コラム】最適な撹拌機を選ぶための3つのポイント
コラムを読む

【技術資料】ベルヌーイ流撹拌機ってなに?
資料を請求する