出張報告

一般社団法人日本血液製剤機構千歳工場様へ見学に行ってきました。
2015/12/02 09:00

10月某日に、製剤機械技術学会様主催の工場見学会で、一般社団法人日本血液製剤機構(JB)千歳工場様に伺いました。

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千歳工場(北海道千歳市)

新千歳空港からバスで15分ほど、大変アクセスの良い臨空工業団地に千歳工場様はありました。

白樺の林の静寂につつまれた工場玄関で従業員の方々に迎えていただいた後すぐに事務所にて、工場長より千歳工場の概要を説明いただきました。

血液製剤は、貴重な献血血液を原料として製造されるため、「善意と医療のかけ橋」という理念を掲げています。千歳工場様では一般の工場見学を長年受け入れ小学生からお年寄りまで、昨年度は年間1000人以上も訪れたそうです。(現在、一般の見学は休止中)。

説明の後はビデオ、そして実際の工場見学です。血液製剤は、「血漿分画製剤」と呼ばれ、血液を「血球成分」と血漿成分」に分け、その血漿から医薬品として有用なたんぱく質を分離・精製し製品化します。この分画工場は全国でも千歳工場を含め4カ所(うち、JBには2カ所)しかないそうです。

血液は-20度を保持したクーリングコンテナで受け入れられます。その後-30度の冷凍倉庫で6か月間保管されます。これは感染リスクを排除するため、ちなみに主に東日本で採血された献血血液のサンプルも11年間保管されています。この冷凍倉庫は、血漿が封入されているビニールバックに貼付されたバーコードに霜がおりて読み取り不可にならないように、除湿器を通し乾燥した空気が庫内を循環しており 、息を吐いても息が白くなりません。たださすがに-30度、1分もいることはできませんでしたが。

その後の製剤棟では、冷凍された血漿をバックから取り出し、遠心分離機で分離し沈殿を取り出し、上清はタンクに受け入れアルコールや緩衝液の添加を繰り返し、その各工程で性質の違う様々な血液製剤が作られていきます。血液製剤は凍結乾燥による粉状の製剤と液状の製剤に分けられ、粉状の製剤は、注射用水で溶いて血友病の薬として使われているということです。血友病の薬を1本作るのに必要な血液は400mlバックで12人分。まさにこの薬が「善意」の結晶であるということが良くわかります。

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1時間半ほどの工場見学でしたが、初めて見る工程はとても興味深く、また血液製剤という製品の性質上、大変厳しい品質管理をされているのだと理解しました。

当日は前日の台風の影響でくもり空でしたが、見学の終わる頃には晴れ間も見え始め北海道の山々を照らす風景はとても神秘的でした。工場見学の後も、参加者の皆さんのハイレベルな質問が続き、千歳工場の皆さんも丁寧に応じてくださいました。

 

今回このような機会を用意してくださいました、製剤機械技術学会の皆さまと、普段なかなか見ることのできない血液製剤の工場見学を受け入れていただいたJB千歳工場の皆さまに、この場を借りて御礼いたします。 ありがとうございました。

 

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