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技術コラム

品質トラブルを防ぐ!ステンレス容器の識別管理とは?
2016/01/14 09:00

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「識別管理」は製品を作る上で欠かせない管理のひとつです。
工場内では、材料や製造工程など様々な場面で、品質管理の一環としての識別管理が行われているのではないでしょうか?
工場や製品により管理方法は様々ですが、環境に合った最適な識別方法を選択する必要があります。

今回は、その中でも原料の貯蔵や製品の生産ライン、機械への組み込みなど、様々な場面で使われているステンレス容器(ステンレス製品)の識別管理方法をご紹介します。

1. レーザーマーキングによる識別

レーザーマーキングとは

マーキング(印字)方法のひとつで、レーザー光から発生する熱により表面を直接加工します。
滅菌や洗浄をしても消えることはなく、簡単に書き換えされません。
また、マーキング面には凹凸が生じないので汚れや洗浄液が溜まらず衛生的です。
シールのように剥がれる心配もなく、異物混入の原因となりません。
レーザーマーキングは機械で印字するため、均一な仕上がりで製作数が多くても対応できます。

マーキング事例:QRコードやバーコードを印字

ユーザー様の任意のQRコードやバーコードをステンレス容器に直接印字します。
バーコードやQRコードは、ICチップに比べて導入コストがかからず、導入している工場が多いです。
工程ごとの管理など生産管理での活用や、ヒューマンエラーの防止、内容物の識別で使われています。
QRコードはバーコードに比べ多くの情報を入れることができ、トレーサビリティシステムで使用している工場もあります。

容器にラベルを貼り付けると…

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  • 簡単に貼り替えできる反面、ラベルが剥がれたり、破れたりして異物混入の原因になる。
  • ラベルの端などに汚れが溜まりやすい。

レーザーマーキングで印字すると…

qrcodeex-1

  • 直接印字するので消えず、書き換えされない。
  • 剥がれるものがないので異物混入防止になる。
  • 表面に凹凸がなく汚れが溜まらない。

マーキング事例:製品名や社名、番号などを印字

製品名や内容物の内容を容器に直接印字します。
社名やロゴを入れることで、他社容器との混同を防止します。
また、容器の管理番号や内容物の名称などを印字することで、識別管理が行えます。
レーザーマーキングでは、ユーザー様の任意の文字や画像を印字できます。
日東金属工業では、ステンレス容器以外だけでなく、蓋や付帯部品へのマーキングも行っております。

 

レーザーマーキングは、最もサニタリー性が求められる製薬業界をはじめ、化粧品・食品の工場などの様々な場面で識別管理に採用されています。
弊社では、ステンレス製品の識別管理方法としてレーザーマーキングを推奨しております。
お客様のご希望に合わせた印字のデザインや大きさ、位置をご提案いたします。

 

レーザーマーキングの他にも、様々な識別方法があります。

2. ラベルによる識別

簡単に作成でき安価なため、工場だけでなくお店や一般家庭でも普及しています。

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バーコードや管理番号、名称などをラベルプリンター等でラベルに印字し、貼り付けて識別します。
作成が簡単で貼り替えもすぐできますが、その分書き換えや改変が簡単に行えてしまいます。
また、ラベルが剥がれたり、角が破れたりして異物混入の原因になる恐れがあるだけではなく、ラベルの端などに汚れが溜まりやすく不衛生になりやすいため、サニタリー性が求められる工程には適していません。

3. ICチップによる識別

各種カードや、回転寿司の皿に埋め込み鮮度管理など様々な場面で使われています。

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バーコードに比べ多くの情報を入れることができ、無線のためバーコードリーダー等で読み取りに行く必要がなく、管理しやすい特長があります。
ステンレス容器へICチップを取り付ける場合、メタルタグ(金属製のタグ)、接着などの方法があります。
バーコードに比べ初期投資が必要です。
異物混入のリスクやサニタリー性の問題、用途によっては滅菌に対応したICチップにする必要があるなど、ステンレス容器へ使用する場合には、使用環境に応じて最適な仕様を検討する必要があります。

4. タグによる識別

配線の識別や袋の封かんなどで使われています。

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タグの形状や色を変えたり、名称を記入したりすることで内容物を識別する方法です。
形状や色の他に様々な材質から選択でき、ステンレス製など金属製のものもあります。
ステンレス容器へタグを取り付ける場合、結束バンドのようなタイプで手軽に取り付けできますが、タグの破片が内容物に混入する恐れがあります。

その他:色による識別(色別)

>赤は警告、黄色は注意など色に意味を持たせて識別する方法です。
ステンレス容器では、内容物の識別、容器の用途、工程、部門の区別としてパッキンに色を付けた 「カラーパッキン付密閉容器」 がございます。
また、弊社ラインナップにはございませんが、カラーステンレスというステンレスの表面処理も識別方法のひとつとして利用されています。

カラーパッキン付密閉容器

シリコンパッキンに色を付けたステンレス密閉容器です。
既に弊社のクリップタイプの密閉容器をお使いの場合、パッキンを色付きのものへ変えるだけで安価に識別できます。

カラーステンレスの例

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カラーステンレスとは、反射の原理を利用してステンレスが着色されているように見せる表面処理方法です。
塗装や染色ではないので安全ですが、カラーパッキンに比べて高価です。

ステンレス容器の識別管理には「レーザーマーキング」をおすすめします!

レーザーマーキングによる印字は、「印字が消えない・汚れが溜まらない・異物混入の原因にならない」などの特長があり、ステンレス容器の識別管理に最適です。こちらのコラムでもマーキングについてご紹介していますので、マーキングをご検討中の方はあわせてご覧ください。

日東金属工業では、日東金属工業製ステンレス製品へのレーザーマーキングを1品からオーダーメイドで承っております。お気軽にお問い合わせください!

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